お正月企画・1
一月一日を控えて、清澗寺邸は不気味な沈黙で包まれていた。この年の瀬に、清澗寺国貴と道貴のそれぞれが、恋人を伴って帰宅するからである。これらのツイートは、四組のカップルの記録になるはず……である。
12月28日 23時30分
「来年は記憶に残る、忘れられないお正月にする……!」(和貴・談)
伏見 「何か嫌な予感がするな。大磯に戻ろうか」
深沢「逃がしませんよ、伏見様」
伏見「深沢君、目が笑っていないよ……?」
クラウディオ「なぜだろう、今日は身の危険を感じるな」
遼一郎「クラウディオさん、俺が国貴様たちを見てきましょうか?」
深沢「いや、こういうのは経験上放っておいたほうがいいものです」
伏見「お仕置きも深沢君の楽しみだからね」(攻チーム・前夜祭の酒盛り中)
クラウディオ「ところで、前から思っていたんだが。マリコを受とくくるのは問題があると思わないか?」
深沢「と申しますと?」
クラウディオ「彼女はこの家の中では一番の実力者だ。受という概念では捉え難い」
伏見「だからあちらのアカウントはファミリーなんだよ、クラウディオ君。作者なりの苦肉の策だ」
遼一郎「そこまでにしておかないと、あちらの部屋から刺客が放たれますよ……?」
12月29日 8時02分
クラウディオ「おはよう、道貴。いつもより早起きだな」
道貴「おはようございます、クラウディオ。今日は父さんに本屋さんに行くよう頼まれたんです」
クラウディオ「本屋?」
道貴「何でも『凍える吐息』という本が、本日リンクスロマンスより発売なんだって」
クラウディオ「父のためにこんなに朝から出かけるなんて、君は本当に素敵な人だ。では、私も一緒に行こう」
クラウディオ「私は君の騎士、どこへなりと一緒に行こう」
道貴「ありがとう! 一人では売り場に行くのが心配だったんだ」
二人がBL売り場にびっくりしたのは言うまでもありませんが、「凍える吐息」本日発売です。どうかよろしくお願いいたします!
12月30日 6時45分
和貴「おはようございます、小父様。深沢を知りませんか?」
伏見「なんでも、君たちのあられもない姿を描写した危険な書物の発売を阻止するとかで、始発で出かけたよ」
23時07分
国貴「遼一郎。深沢君が何か……ボロ雑巾のようになっているんだが、心当たりはないか?」
遼一郎「この世の修羅場に遭遇なさったようです。そっとしてあげたほうがいいでしょう」
国貴「そうなのか?」
深沢「ええ、国貴様。疲れはだいぶ癒えましたよ。今夜は和貴様のカラダ……ではなく、和貴様自身に伺いたいことがありますので、そろそろ休ませていただきます」
国貴「……よけい心配だな……」
12月31日 0時49分
和貴「おまえなんか、嫌いだ……」
深沢「そういう可愛くないことをおっしゃる唇は塞いでしまいましょう、と言わせたいんですね?」
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